テキスト検索設定は、文書をtsvectorに変換する必要なすべてのオプションを指定します。すなわち、テキストをトークンに分解するパーサ、そしてトークンを語彙素に変換する辞書です。to_tsvector
またはto_tsquery
を呼び出すたびに、処理を進めるためにテキスト検索設定が必要になります。設定パラメータのdefault_text_search_configは、デフォルトの設定を指定します。これは、明示的な設定が省略されたときにテキスト検索関数が使用します。postgresql.confに設定するか、個々のセッションでSETコマンドを使って設定できます。
既定のテキスト検索設定がいくつか利用できます。また、カスタム設定を作るのも容易です。テキスト検索オブジェクトを管理する機能を実現するために、SQLコマンドが一通り用意されています。テキスト検索オブジェクトに関する情報を表示するpsqlコマンドもいくつか用意されています(項12.10)。
例として、組み込みのenglish設定をコピーして、新しいpg設定を作るとことからはじめましょう。
CREATE TEXT SEARCH CONFIGURATION public.pg ( COPY = pg_catalog.english );
PostgreSQL固有の同義語リストを使い、それを$SHAREDIR/tsearch_data/pg_dict.synに格納します。ファイルの内容は以下のようになります。
postgres pg pgsql pg postgresql pg
同義語辞書を次のように定義します。
CREATE TEXT SEARCH DICTIONARY pg_dict ( TEMPLATE = synonym, SYNONYMS = pg_dict );
次に、Ispell辞書のenglish_ispellを登録します。これにはそれ自身の設定があります。
CREATE TEXT SEARCH DICTIONARY english_ispell ( TEMPLATE = ispell, DictFile = english, AffFile = english, StopWords = english );
ここで、pg設定に単語用のマッピングを設定します。
ALTER TEXT SEARCH CONFIGURATION pg ALTER MAPPING FOR asciiword, asciihword, hword_asciipart, word, hword, hword_part WITH pg_dict, english_ispell, english_stem;
組み込み設定が扱っているいくつかのトークンに関しては、インデックス付けと検索に扱わないことにします。
ALTER TEXT SEARCH CONFIGURATION pg DROP MAPPING FOR email, url, url_path, sfloat, float;
これでここまで作った設定を試すことができます。
SELECT * FROM ts_debug('public.pg', ' PostgreSQL, the highly scalable, SQL compliant, open source object-relational database management system, is now undergoing beta testing of the next version of our software. ');
次に、セッションの中で新しい設定を使うようにします。この設定は、publicスキーマの中に作られています。
=> \dF List of text search configurations Schema | Name | Description ---------+------+------------- public | pg | SET default_text_search_config = 'public.pg'; SET SHOW default_text_search_config; default_text_search_config ---------------------------- public.pg