ドキュメントを処理する過程でつぎのようなツールが使われます。 そのうちのいくつかは付記されているようにオプションです。
DocBook そのものの定義です。現在は 3.1 バージョンを使用していて、 これより古いまたは新しいバージョンは使用できません。また XML バージョンの DocBook もありますが 使わないでください。
DocBook に必要なものですが、ISO でメンテナンスされているため 別に配布されています。
SGML を処理する基本パッケージです。パッケージには SGML パーサ、(DSSSL を使って SGML を他のフォーマットに変換するプログラムである) DSSSL プロセッサ、および数多くの関連するツールが 含まれています。Jade は現在 James Clark ではなく OpenJade グループがメンテナンスしています。
DocBook のソースを HTML のような他のフォーマットに 変換する処理を指定します。
マニュアルページを作成するオプションのパッケージです。 このパッケージ自身が必要とするパッケージがいくつかあります。 Web サイトで確認してください。
お望みならば JadeTeX をインストールして Jade をフォーマットするバックエンドとして TeX を使うこともできます。 JadeTeX によると Postscript または (ブックマーク付の)PDF ファイルが作成できます。
とはいっても、JadeTeX での出力は RTF バックエンドで得られる結果よりも品質が劣ります。 特に問題があるのは表と水平垂直方向のスペーシングに関係する多彩な細工に かかわる部分です。さらに、でき上がった結果を手作業で修正することもできません。
ドキュメントを作成するために必要なさまざまなツールのインストール方法 についての経験をまとめました。以下に記載します。これらのツールは別に パッケージ化されて配布されていることも考えられます。もしそのような 配布物を見付けた場合は doc のメーリングリストに報告して下さい。 そのような情報をここに付け加えたいと思います。
数多くのベンダーがディストリビューションの中に DocBook 処理用の RPM パッケージ一式を提供しています。インストールに際しては "SGML" オプションまたは sgml-common、 docbook、stylesheets、 openjade(あるいは jade) パッケージがあるか確認して下さい。sgml-tools も必要かもしれません。お手持ちのディストリビューションで提供されて いないときは、そのほかの互換性のある配布元のパッケージを利用できるはずです。
FreeBSD のドキュメントプロジェクトそのものが DocBook のヘビーユーザ ですから、FreeBSD 上で使用できるドキュメント作成用ツールの "port" 一式が揃っていることは驚くにあたりません。 FreeBSD 上でドキュメントをビルドするには以下の ports が必要です。
textproc/sp
textproc/openjade
textproc/docbook-310
textproc/iso8879
textproc/dsssl-docbook-modular
/usr/ports/print(tex、 jadetex)の中にも興味を引くものが数多くあります。
port は /usr/local/share/sgml/catalog にある メインカタログファイルを更新しない可能性があります。
CATALOG "/usr/local/share/sgml/docbook/3.1/catalog"
という行があることを確認してください。 もしもファイルを編集したくない場合は環境変数 SGML_CATALOG_FILES をカタログファイルにコロンで分割して (上記のように)設定することもできます。
FreeBSD でのドキュメント作成ツールについての更に詳しい情報は FreeBSD Documentation Project's instructions にあります。
Debian GNU/Linux 用のドキュメント作成 パッケージの一式が揃っています。インストールには以下を使います。
apt-get install jade apt-get install docbook apt-get install docbook-stylesheets
DocBook ツールを手作業でインストールするのは何かと複雑ですから もし既にできているパッケージがあるならばそちらを使ったほうが よいでしょう。 ここでは標準的なインストール手順として一般的な 機能以外を持たせない標準的なセットアップのみを説明します。 詳しいことはそれぞれにパッケージのドキュメントと SGML の入門資料を読んでください。
OpenJade のインストールは GNU 形式の ./configure; make; make install ビルド手順で 行います。詳しいことは OpenJade ソース配布物の中にあります。 要約すると次のようになります。
./configure --enable-default-catalog=/usr/local/share/sgml/catalog make make install
"デフォルトカタログ"をどこに置いたか覚えておいてください。 あとで必要になります。そのままにしておいても構いませんが、あとで jade を使用する時には環境変数 SGML_CATALOG_FILES を設定してファイルの場所を指定する 必要があります。(既に OpenJade がインストールされていて残りのツール 一式を別の場所にインストールしたい場合にはこの方法を使用する手があります。)
さらに dsssl ディレクトリからどこか、 例えば /usr/local/share/sgml/dsssl といった ディレクトリに dsssl.dtd、 fot.dtd、 style-sheet.dtd および catalog をインストールします。 ディレクトリ全てを一括コピーすることが一番簡単です。
cp -R dsssl /usr/local/share/sgml
最後に、ファイル /usr/local/share/sgml/catalog を作成して 以下の行を付けくわえます。
CATALOG "dsssl/catalog"
(これは ステップ2 にインストール されたファイルへの相対的参照パスです。インストール先のレイアウトを 変更している場合にはそれに合わせる必要があります。)
DocBook V3.1 を入手します。
/usr/local/share/sgml/docbook31 ディレクトリ を作成してそこに移動します。(正確にこの場所でなくても構いませんが、 ここで説明して行く流れの中では筋が通っているものです。)
$ mkdir /usr/local/share/sgml/docbook31 $ cd /usr/local/share/sgml/docbook31
アーカイブを解凍します。
$ unzip -a ...../docbk31.zip
(アーカイブは置かれた場所に解凍されます。)
/usr/local/share/sgml/catalog ファイル(もしくは インストール時に jade に指定したファイルに)に以下の一行を付けくわえる 編集を行います。
CATALOG "docbook31/docbook.cat"
docbook.cat ファイルの DTDDECL が書かれている行をコメントアウトしたり削除したりすることは自由です。 この作業を行わない場合は jade が警告を 出しますが、特に問題はありません。
ISO 8879 character entities アーカイブをダウンロードし、解凍して できたファイルを DocBook のファイルと同じディレクトリに置きます。
$ cd /usr/local/share/sgml/docbook31 $ unzip ...../ISOEnts.zip
DocBook と ISO ファイルを置いたディレクトリで以下のコマンドを実行します。
perl -pi -e 's/iso-(.*).gml/ISO\1/g' docbook.cat
(この操作によって DocBook カタログファイルで使われる名称と実際の ISO 文字登録ファイル間での重複が整理されます。)
スタイルシートのインストールは配布物を解凍してたとえば /usr/local/share/sgml のような適当な場所に置きます。 (アーカイブは自動的にサブディレクトリを作成します。)
$ gunzip docbook-dsssl-1.xx.tar.gz $ tar -C /usr/local/share/sgml -xf docbook-dsssl-1.xx.tar
/usr/local/share/sgml/catalog にある通常の カタログエントリも作成されます。
CATALOG "docbook-dsssl--1.xx/catalog
スタイルシートは頻繁に変更されたり、他に使えるバージョンを試してみる ことは有益ですから、PostgreSQL は このカタログエントリを使用しません。どのようにスタイルシートを 選択するかについての情報は 項G.2.5 を参照してください。
JadeTeX をインストールし使用するには tools と graphics パッケージ Babel、 AMS フォントおよび AMS-LaTeX、 PSNFSS 拡張と "the 35 fonts" の付属キット、 PostScript を生成する dvips プログラム、 マクロのパッケージとして fancyhdr、 hyperref、 minitoc、 url および ot2enc がサポートされている TeX と LaTeX2e が既にインストールされていなくてはなりません。 これらすべては、好意的な仲間でもある CTAN サイトにあります。 TeX の基本システムのインストールはこの紹介文の範囲を はるかに越えています。どのようなシステム上でも稼働する TeX のバイナリパッケージはいずれかに存在します。
JadeTeX をPostgreSQL のドキュメントソースに適用する前に TeX 内部データ構造の容量を増やさないといけない場合があります。この件に関しての詳細は JadeTeX のインストールの説明のところに記載されています。
この操作を終えたところで JadeTeX をインストールできるようになります。
$ gunzip jadetex-xxx.tar.gz $ tar xf jadetex-xxx.tar $ cd jadetex $ make install $ mktexlsr
最後の二つの入力は root になって行います。
PostgreSQL 本体のプログラムをビルドした 時のように、ドキュメントをビルドする時に configure スクリプトを走らせる必要があります。 実行が終わる近辺の次のような出力を確認して下さい。
checking for onsgmls... onsgmls checking for openjade... openjade checking for DocBook V3.1... yes checking for DocBook stylesheets... /usr/lib/sgml/stylesheets/nwalsh-modular checking for sgmlspl... sgmlspl
もしも onsgmls あるいは nsgmls が見つからなかった場合には残り 4 行は表示されません。 nsgmls は Jade パッケージの一部です。 "DocBook V3.1" が見つからない場合は DocBook DTD キットを jade が見つけられない場所に置いたか、もしくはカタログファイルが正しく 設定されていません。前述のインストレーションのヒントを見てください。 DocBook スタイルシートはいくつか比較的標準となっている場所から 探されますので、別の場所に置いた時には環境変数 DOCBOOKSTYLE でその場所を設定してから configure をあとで再実行します。