Visual C++ 2005を使用して構築するためのツールがsrc/tools/msvcディレクトリに存在します。 構築する際に、MinGWやCygwinに付属するツールがシステムPATHに存在しないことを確認してください。 また、PATHに必要なVisual C++ツールがすべて存在することを確認してください。 通常はVisual Studio 2005 コマンドプロンプトを起動して、そこからコマンドを実行してください。 すべてのコマンドはsrc\tools\msvcディレクトリから実行しなければなりません。
構築を始める前に、config.plファイルを編集して、使用するライブラリのパスを含め、設定したい構築オプションを反映してください。 何か他に環境変数を設定する必要があれば、buildenv.plという名前のファイルを作成し、そこに必要なコマンドを記載してください。 たとえば、PATHにbison用のパスを追加したいのであれば、以下を含むファイルを作成してください。
$ENV{PATH}=$ENV{PATH} . ';c:\some\where\bison\bin';
PostgreSQLはVisual Studio 2005プロフェッショナル版またはExpress版のどちらかを使用して構築します。 完全なパッケージを構築するには以下の追加製品が必要です。 config.plファイルを使用してライブラリを利用できるディレクトリを指定してください。
ActiveState Perlが構築生成スクリプトを実行するために必要です。 MinGWまたはCygwinのPerlでは動作しません。 また、PATH内に含められていなければなりません。 http://www.activestate.comからバイナリをダウンロードできます。 (注意:バージョン5.8が必要です。フリーの標準配布で十分です。)
PL/TCLを構築する時に必要です。 (注意:バージョン8.4が必要です。フリーの標準配布で十分です。)
CVSから構築する場合はBisonおよびFlexが必要です。 リリースファイルから構築する場合は不要です。 Bison 1.875またはバージョン2.2以降のみで動作することに注意してください。 BisonとFlexはhttp://gnuwin32.sourceforge.netからダウンロードすることができます。
リグレッション試験を実行するにはDiffが必要です。 http://gnuwin32.sourceforge.netからダウンロードできます。
NLSサポート付きで構築する場合はGettextが必要です。 http://gnuwin32.sourceforge.netからダウンロードできます。 バイナリ、依存物、開発用ファイルすべてが必要であることに注意してください。
Microsoft Platform SDKのバージョンを入手可能な最新盤までアップグレードすることを推奨します。 http://www.microsoft.com/downloads/からダウンロードできます。
Kerberos認証をサポートする場合に必要です。 MIT Kerberosはhttp://web.mit.edu/Kerberos/dist/index.htmlからダウンロードできます。
XMLサポートのために必要です。 バイナリはhttp://zlatkovic.com/pub/libxmlから、ソースはhttp://xmlsoft.orgからダウンロードできます。 libxml2はiconvを必要することに注意してください。 同じ場所からダウンロードできます。
SSLサポートのために必要です。 バイナリはhttp://www.slproweb.com/products/Win32OpenSSL.htmlから、ソースはhttp://www.openssl.orgからダウンロードできます。
UUID-OSSPサポート(contribのみ)で必要です。 ソースはhttp://www.ossp.org/pkg/lib/uuid/にあります。
PL/Pythonを構築する場合に必要です。 バイナリはhttp://www.python.orgからダウンロードできます。
pg_dumpおよびpg_restoreにおける圧縮をサポートするために必要です。 バイナリはhttp://www.zlib.netからダウンロードできます。
リリース条件(デフォルト)でPostgreSQLをすべて構築するためには、以下のコマンドを実行してください。
build
デバッグ条件でPostgreSQLをすべて構築するためには、以下のコマンドを実行してください。
build DEBUG
単一のプロジェクトのみを構築するためには、たとえばpsqlであれば、以下のコマンドを実行してください。
build psql build DEBUG psql
デバッグのためにデフォルトの構築条件を変更するためには、以下をbuildenv.plファイルに記載してください。
$ENV{CONFIG}="Debug";
また、Visual Studio GUI内から構築することも可能です。 この場合はコマンドプロンプトから以下を実行しなければなりません。
perl mkvcbuild.pl
その後に、生成されたpgsql.sln(ソースツリーのトップディレクトリに存在します。)をVisual Studioで開いてください。
ほとんどの場合、Visual Studioの持つ自動依存関係追跡により変更されたファイルが扱われます。 しかし、大規模な変更が行われた場合、インストレーションを整理する必要があるかもしれません。 このためには、clean.batコマンドを実行してください。 これにより、生成されたファイルがすべて自動的に消去されます。 また、distパラメータを使用して実行することも可能です。 この場合、make distcleanのように振舞い、flex/bisonの出力ファイルも削除します。
デフォルトでは、すべてのファイルはdebugまたはreleaseディレクトリ以下のサブディレクトリに書き出されます。 これらのファイルを標準レイアウトでインストールし、データベースの初期化や使用に必要なファイルを生成するためには、以下のコマンドを実行してください。
perl install.pl c:\destination\directory
リグレッション試験を実行するためには、まず必要なすべての部品の構築が完了していることを確認してください。 また、システムのすべての部品で必要とするDLL(手続き言語用のPerlのDLLやPythonのDLLなど)がシステムパスに含まれていることを確認してください。 もし含まれていなければ、buildenv.plファイルを介して設定してください。 試験を実行するためには、以下のコマンドのいずれかをsrc\tools\msvcディレクトリから実行してください。
vcregress check vcregress installcheck vcregress plcheck vcregress contribcheck
使用するスケジュールを変更するためには、コマンドラインに以下のように追加してください。 (デフォルトはparallelです。)
vcregress check serial
リグレッション試験の詳細については、第29章を参照してください。
PostgreSQLの文書をHTML書式で構築するためには、いくつかツールやファイルが必要です。 これらのファイルをすべて格納するためのトップディレクトリを作成し、以下のリストに記載したサブディレクトリに格納してください。
http://sourceforge.net/project/downloading.php?groupname=openjade&filename=openjade-1_3_1-2-bin.zipからダウンロードし、openjade-1.3.1サブディレクトリで伸長してください。
http://www.oasis-open.org/docbook/sgml/4.2/docbook-4.2.zipからダウンロードし、docbookサブディレクトリで伸長してください。
http://sourceforge.net/project/downloading.php?groupname=docbook&filename=docbook-dsssl-1.79.zipからダウンロードし、docbook-dsssl-1.79サブディレクトリで伸長してください。
http://www.oasis-open.org/cover/ISOEnts.zipからダウンロードし、docbookサブディレクトリで伸長してください。
buildenv.plファイルを編集し、このトップディレクトリの場所を示す変数を追加してください。 例を示します。
$ENV{DOCROOT}='c:\docbook';
文書を構築するためには、builddoc.batコマンドを実行してください。 これは実際にはインデックスを作成するために、2回構築を行うことに注意してください。 生成されたHTMLファイルはdoc\src\sgmlに格納されます。