1.3. データベースの作成

データベースサーバにアクセスできるかどうかがわかる最初の試験は、データベースの作成を試みることです。 稼働中のPostgreSQLサーバは多くのデータベースを管理することができます。 典型的には、プロジェクトやユーザごとにデータベースは分割されます。

サイト管理者により使用できるデータベースが既に作成されている場合もあります。 その場合、管理者は使用できるデータベースの名前をユーザに通知しなければなりません。 この場合、この段階を飛ばして、次の節まで進んでください。

新しいデータベースを作成するには、以下のコマンドを使用してください。 この例ではmydbという名前です。

$ createdb mydb

この手順で何も応答がなければ、この段階は成功し、本節の残りは飛ばすことができます。

以下のようなメッセージが現れた場合、PostgreSQLが正しくインストールされていません。

createdb: command not found

インストールがまったくされていないか検索パスの設定が正しくないかのいずれかです。 代わりに絶対パスでそのコマンドを実行してみてください。

$ /usr/local/pgsql/bin/createdb mydb

このパスはサイトによって異なるかもしれません。 この問題を解決するには、サイト管理者に連絡するか、インストール手順に戻って点検してください。

他の応答として以下もあります。

createdb: could not connect to database postgres: could not connect to server: No such file or directory
        Is the server running locally and accepting
        connections on Unix domain socket "/tmp/.s.PGSQL.5432"?

これは、サーバが起動していないか、createdbが想定している状態でサーバが起動していないかを示しています。 こちらも、インストール手順を点検するか管理者に相談してください。

他の応答として以下もあります。

createdb: could not connect to database postgres: FATAL:  role "joe" does not exist

今回はログインした時のユーザ名が記載されています。 これは、管理者がそのユーザ用のPostgreSQLユーザアカウントを作成していない時に起こります (PostgreSQLユーザアカウントは、オペレーティングシステムのユーザアカウントとは異なります)。 管理者であれば、アカウントの作成方法に関して第19章を参照してください。 最初のユーザアカウントを作成するためには、PostgreSQLをインストールした時のオペレーティングシステムのユーザ(通常postgres)になる必要があります。 PostgreSQLユーザアカウントがオペレーティングシステムのユーザ名と異なる名前で用意されているかもしれません。 その場合は、PostgreSQLのユーザ名を指定するために、-Uスイッチを使用するか、PGUSER環境変数を設定する必要があります。

ユーザアカウントを持っているが、データベースを作成するために必要な権限を持っていない場合は、以下のメッセージが現れます。

createdb: database creation failed: ERROR:  permission denied to create database

全てのユーザがデータベースを新規に作成できる権限を持っているわけではありません。 PostgreSQLがデータベースの作成を拒否した場合、サイト管理者はデータベースを作成する権限をユーザに付与する必要があります。 これが発生した場合はサイト管理者に相談してください。 自身でPostgreSQLをインストールしたのであれば、このチュートリアルの目的のために、サーバを起動したユーザアカウントでログインしなければなりません。 [1]

他の名前のデータベースを作成することもできます。 PostgreSQLは、与えられたサイトでいくつでもデータベースを作成することを許可しています。 データベース名は、先頭がアルファベット文字から始まる、63文字までの長さでなければなりません。 簡単な選択は、現在のユーザ名と同じ名前のデータベースを作成することです。 多くのツールでは、データベース名のデフォルトとしてそれを仮定していますので、これにより入力数を減らすことができます。 このデータベースを作成するには、単純に以下を実行します。

$ createdb

データベースを使用しなくなったら、削除することができます。 例えば、mydbデータベースの所有者(作成者)であれば、以下のコマンドでそれを廃棄することができます。

$ dropdb mydb

(このコマンドでは、データベース名のデフォルトはユーザアカウント名ではありません。 常に指定しなければなりません。) この動作は、そのデータベースに関する全てのファイルを物理的に削除しますので、取り消すことはできません。 事前に熟考した場合にのみこれを実施してください。

createdbdropdbの詳細は、それぞれcreatedbdropdbにあります。

注意

[1]

この作業の理由の説明:PostgreSQLのユーザ名はオペレーティングシステムのユーザアカウントとは分離されています。 データベースに接続する場合、接続に利用するPostgreSQLのユーザ名を選択します。 選択しなければ、デフォルトで現在のオペレーティングシステムのアカウントと同じ名前となります。 これにより、サーバを起動するオペレーティングシステムのユーザと同じ名前のPostgreSQLユーザアカウントは、常に存在します。 そしてまた、このユーザは常にデータベースを作成する権限を持ちます。 そのユーザとしてログインする代わりに、-Uオプションを毎回使用して、接続するPostgreSQLのユーザ名を選択することができます。

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